薫の君の正室・女二の宮(画像あり)「女二の宮」は、今上帝の姫宮で薫の君の正室です。「浮舟」の巻に登場しています。薫の君は、愛する浮舟を邸に迎えたい と思う。そこで、正室の女二の宮に、 (薫の君)「浮舟を邸に迎えたいたいがどう思うか?」と尋ねます。 下の原文の写真、右端1行目から2行目にかけて、女二の宮は、次のように答えています。 (女二の宮)「いかなることに心をく物(もの)と志(し)らぬを」 (女二の宮)「(浮舟に対し)どのように気を遣(つか)ってよいのか 私にはわかりません」 薫の君は、それに対し、次のように言葉を返します。 (薫の君)「うち(内・今上帝で女二の宮の父)になどあしざまにき(聞)こしめさする人や侍(はべ)らん」 上の写真の原文の右端2行目中段から、3行目にかけて記されています。 現代語訳は、次の通りです。 (薫の君)「今上帝などへ、私の悪口を告げ口をする人もいることでしょう」 写真で見る原文の1行目から3行目までの間に、薫の君と女二の宮との間で、とても重要な夫婦の会話がなされていることがわかります。 薫の君と女二の宮が、言葉を交わしている頃の浮舟の心のうちは、どうだったのでしょうか。この頃の浮舟の心のうちを記した原文を選び、下の写真で公開します。 下の写真、右端1行目から2行目の前半にかけて次のように記しています。 (浮舟)「つれづれと身を志(し)る雨の音をや(止)まねばそで(袖)さへいとどみさかまりて」 現代訳にすると次のようになります。 (浮舟)「悲しい私の身の上を思い知らせる雨が降り続いて止みません。川の水かさが増すように、私の袖までも私の涙で濡れております。」 ジャンル別一覧
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